ＤＪテントン オフィシャルサイト

東名高速を 御殿場から厚木に向かい、最後のトンネルを抜けた辺りで
ボクのクルマは 泣きじゃくる季候の中にいた

雲の上では よほど悲しいことでもあったのだろうか？
フロントグラスは 叩きつける雨で 視界はゼロ！

あわてて ワイパーを作動した時に
はずみで カーラジオのスイッチも 押してしまった

　♪ あなたの愛の はかり知れない あたたかな まなざしを
　　 私は いつも心の隅に 感じていたいのに...
　　 恋をすることが...
　　 愛を 求めることが...
　　 なぜ？　
　　 こんなに ... 息苦しいの ...　　　　　　　　　♪

懐かしいメロディが　クルマ いっぱいに 広がった


季節は 冬

ボクは 日比谷の図書館で
あと２ヶ月と迫った大学の受験勉強に追われていた

カノジョとは もっぱら 電話でデート♪
せいぜい会っても　月２回！
お茶を飲んだ後、軽く Kiss ♥
手でも 握れば Time Up !

遊び盛りのカノジョは かなり不満...　　
カノジョは現在 15歳
大妻の中等部　３年生

最悪なことに ３日前から 音信不通
ボクの ツマラナイ ヤキモチが 大原因！



...雨の中、速度表示の掲示板が 80Kmに 変わった。
カーラジオも ちょうど ２番に 移っていた。


　♪ 見知らぬ雨に　尋ねてみたの

　　 「 あなたは 誰のモノ...」　と...

　　 『そんな恋なら おやめなさい！』
　　　　　　　　　　　　と、冷たく 笑うだけ...　　♪


音信不通も ４日で終り

ボクが カノジョの テレフォンナンバーの
ちょうど最後から ２つ目を押そうとした時
ボクの家のチャイムが鳴った

ドアを開けると、雪の中
Ｘ'masプレゼントを しっかりと抱いたカノジョが立っていた

♪ 頭の中でﾏﾗｲｱ･ｷｬﾘｰの『恋人達のクリスマス』が鳴り響くボク ♪

「メリ〜クリスマス」

満面の笑みを浮かべたカノジョが　
そのままボクの胸に 飛び込んできた

甘い香りがボクの鼻をくすぐる・・・

雪に濡れたニット帽の後ろに広がる夜空に
トナカイに引かれたソリが
遠く 通り過ぎるのが 見えた

　　　　　　　　　song by 高木麻早　『想い出が多すぎて』